グスクめぐり(10)【グスクロード(垣花城・玉城グスク・糸数城)】

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 斎場御嶽を見学した後はいよいよグスクロードに入ります。糸数城~玉城グスク~ミントングスク~垣花城を結ぶ4キロの距離に史跡やグスクが散在する地域で、自然や史跡が豊富な南山地域でも是非に抑えておきたい場所です。時間の関係でミントングスクは訪城することが出来なかったのですが、その名にふさわしい魅力的なグスクを訪城してきました。

グスクめぐり(9)【知念城・斎場御嶽】(沖縄県南城市)

琉球の聖地である久高島を遙拝できる場所にある斎場御嶽は琉球神道の最高位・聞得大君を任命する場所。近くにある知念城も祭祀場としての性格が濃いグスクです。

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垣花城

 垣花城は築城者などの詳細はほとんど解明されていませんが、三山時代以前から存在していた古グスクとも伝わります。三山時代に改修されたものと考えられる、野面積みの城壁が豊かな自然に溶け込んでとても良い雰囲気を出しています。

城道は自然豊かな地形『城道は自然豊かな地形』

垣花城の虎口『垣花城の虎口』

野面積みの城壁『野面積みの城壁』

垣花城の周辺地図

 県道137号で城址碑のある路地を右折、さらに100mほど先を右折します。駐車場はありませんのが停車するスペースはあります。

玉城グスク

 玉城グスクは、琉球の創世神アマミキヨが築城したとの伝承が残る最古に築かれたグスクの一つです。アマミキヨというのは、おそらくは黒潮の流れに乗って琉球へとたどり着いた民族のリーダーであったのでしょう。アマミキヨが最初に上陸されたとされる久高島から、沖縄本島へと上陸したときに最初に目に付くであろうこの台地に支配拠点を置きました。

 現在の城跡は、時代が下った三山時代に地頭である玉城按司が築いたものですが、自然地形によるアーチ門は古代からの神秘的な魅力を感じます。2009年当時は発掘調査中でしたので、ここも是非とも再訪したいとグスクですね。

自然地形を利用したアーチ門『自然地形を利用したアーチ門』

玉城グスクの石積み『玉城グスクの石積み』

玉城グスクの周辺地図

 「県立少年自然の家」の西側に無料駐車場があります。そこから登城口があるので迷うことはないでしょう。

糸数城

 糸数城は、三山時代に玉城按司が三男を分家させて糸数按司とし、西方への防御のために築いたという伝承が伝わります。難攻不落の名城でしたが、糸数城の兵役頭で猛将の誉れが高かった比嘉ウチョーが留守の隙をついて、糸数按司の娘婿であった上間按司の謀反によって攻め滅ぼされました。

 登り石垣などが残る遺構は、世界遺産の5グスク(中城城・勝連城・座喜味城・今帰仁城・首里城)にも劣らないほど見事なものです。このグスクに関してはあれこれと調べるよりはまず現地へ訪れてみてください。曲線が美しい長大な城壁に防御性を高めた張り出しなど、見る者を圧倒させるグスクは必見です。

登り石垣

登り石垣2

登り石垣3

登り石垣4

登り石垣5『曲線と地形を活かした城壁は登り石垣となる箇所も多い』

虎口『虎口』

城壁

城壁2

城壁3

城壁4『張り出しによる防御性を高めた城壁は圧巻』

糸数城の周辺地図

 玉城小学校を500mほど西進した「糸数入口」交差点を、800mほど北上すると城域への案内があるので右折をします。道の突き当たりに無料駐車場があります。

おわりに

 グスクロードに残る城跡には、祭祀性の強い場所が多いです。神話世界にして、最初に琉球の民を率いたとされるアマミキヨの聖地である、久高島にほど近いこの地域の特徴と言えます。同時に、古くから集落が発展してきたこの地では、血なまぐさい戦乱も数多く起こっており、より軍事的なグスクも築かれてきました。そのような両面からグスクを見ることが出来るのが、このグスクロードという地域なのです。(この記事は続きます)

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沖縄県
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