グスクめぐり(12)【首里城・玉陵】

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 沖縄本島のグスクを駆け足でめぐった旅の最後は那覇市に戻り、琉球王朝の首府であった首里城を見学します。最大規模のグスクである首里城を見学するには相当な時間がかかる上に、周辺には首里城と共に世界遺産に認定されている玉陵・園比屋武御嶽石門や数々の名所遺跡があるので、余裕をもった行程を組んだ方が良いでしょうね。

 本島全域を駆け巡る今回の行程では首里城は「軽く」しか見る時間を取ることが出来ませんでした。沖縄最大の観光地にはプロのガイドさんたちもおられますので、翌年の旅行で再訪したときの分をあわせて写真をメインにUPしてみます。

グスクめぐり(11)【勢理グスク・具志川城】(沖縄県糸満市・八重瀬町)

勢理グスクは遺構は無いですが「富盛の石彫大獅子」が有名なグスク。具志川城は絶壁に囲まれたグスクで、その城壁を含めて世界遺産に匹敵するグスクと言えます。

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首里城

 「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されているの首里城は、他の世界遺産である勝連城今帰仁城がその城跡などの遺構が認定対象であるのに対して、第二次大戦や琉球大学の建設によって破壊された建造物や城壁は世界遺産ではなく、周辺にある玉陵園比屋武御嶽石門と共に「首里城跡」としての登録になっています。守礼門などの修復整備も終了して夜はライトアップされている最大規模のグスクです。

守礼門『守礼門』

瑞泉門『瑞泉門』

ライトアップもされています『夜はライトアップされています』

首里城周辺の地図

玉陵

 玉陵(たまうどぅん)は、第二尚氏王朝の陵墓であり第二次大戦によって荒廃しましたが、現在は修復整備されて世界遺産に認定されています。この地に埋葬されているのは王及び正室のみでり、夭折した王子や側室などは首里山川町にある「山川の王陵」に埋葬されています。琉球王朝の王墓については不明な点が多く、浦添ようどれに眠っている英祖王とこの第二尚氏の歴代王以外の王墓は各地へ散在しています。

 中国に倣った易姓革命として、「英祖王統→察度王統→第一尚氏王朝→第二尚氏王朝」と王統が交代してきた琉球王朝ですが、実際には血なまぐさい簒奪の歴史であり、伝説の天孫王・舜天王や最初に琉球を統一した英祖王以外の王、察渡王朝の王墓は所在不明、天山陵として壮大な規模を誇った第一尚氏の王墓は、第二尚氏王朝の建国後には、迫害衰退されて各地へ散ってしまいました。現在確認されている第一尚氏の王墓推定地は、

  • 初代 尚思紹・・・佐敷町佐敷の「佐敷よおどれ」
  • 二代 尚巴志・・・読谷村伊良皆「佐敷森」
  • 三代 尚忠・・・読谷村伊良皆「佐敷森」
  • 四代 尚思達・・・読谷村伊良皆「佐敷森」
  • 五代 尚金福・・・浦添市城間
  • 六代 尚泰久・・・玉城村
  • 七代 尚徳・・・不明

 沖縄独特の破風墓である玉陵は、琉球王朝の王墓にふさわしい見事なものですが、第二尚氏以外の王墓がこのような状態にあることが、クーデターによって王権が簒奪されてきた琉球の歴史を物語っています。そのような中で英祖王だけが第二尚氏の尚寧王と共に浦添ようどれに葬られているのは、第二尚氏をはじめとする多くの王達が、この偉大な統一王のネームバリューをその正当性の拠り所としたからでしょう。

玉陵『破風墓が特徴の玉陵』

玉陵周辺の地図

おわりに

 今回の行程は三泊四日でグスクめぐりの経験がある方と行動を共にしましたが、それでも世界遺産の5グスクとグスクロード、浦添ようどれを抑えると首里城周辺は時間があまり取れませんでした。玉陵については翌年に再訪したときのものです。

 今帰仁城はグスクめぐりには外せませんが、かなり北へ移動するために中南部に集中する魅力的なグスクを見学するには、どうしても時間がロスしてしまいます。今回記事にしたグスク以外にも見応えのある場所は多いですし、何度か再訪する前提でゆったりとした行程を組む方が良いのかも知れません。沖縄旅行はLCC(格安航空)の普及でずいぶんと行きやすくなりましたしね。

グスク以外の史跡もあわせて見学するのもオススメです~海軍司令部~

 第二次大戦の沖縄決戦に向けて、大田実中将以下沖縄方面部隊が玉砕した司令部跡。現在は公園として整備されていますが、大田中将自決の地など、戦争の凄惨さを今に伝える戦争遺跡です。

海軍司令部『海軍司令部壕跡』

グスク以外の史跡もあわせて見学するのもオススメです2~中村家住宅~

 国指定の重要文化財である中村家住宅は、戦前の沖縄地方の建築様式をよく伝えています。中城城や護佐丸の墓とセットで見学するのが良いでしょう。

中村家住宅『中村家住宅』

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