グスクめぐり(11)【勢理グスク・具志川城】

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 グスクロードの素敵なグスク群を見学した後は、空港へと戻るために糸満市経由で那覇市に向かいましたが、その前に是非とも抑えておきたい具志川城を訪城します。沖縄には具志川城という名称のグスクは3カ所ありますが、城郭ファンの間で具志川グスクといえばこの場所を指します。

グスクめぐり(10)【グスクロード(垣花城・玉城グスク・糸数城)】(沖縄県南城市)

グスクロードと呼ばれる4キロあまりの地域には魅力的なグスクや史跡が散在しています。その中でも垣花城、玉城グスク、糸数城は自然豊かな地形の中に古風な石積みが残っているとても魅力的なグスクです。

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勢理グスク

 具志川城へ向かう前に寄ったのが勢理グスク(じり と読みます)。遺構は特に残っていないのですが、「富盛の石彫大獅子」という県内最大の狛犬があります。

 1689年に第二尚氏王朝の第十一代国王であった尚貞王が設置したのですが、フィーザンと呼ばれる八重瀬嶽に向けて蹲踞させようとしたところ、神聖な場所である八重瀬嶽には直接向けられないとの民衆からの嘆願を受けて少し方角をずらしています。また、この狛犬には第二次大戦の沖縄戦による銃痕の跡が生々しく残っています。

勢理グスクは特に遺構は残っていない『勢理グスクは特に遺構は残っていない』

富盛の石彫大獅子『富盛の石彫大獅子』

勢理グスクの周辺地図

 国道507号「富盛の交差点」を西へ300mほど行ったところにあるクリーニング店を北へ入ればすぐにあります。道は細いので駐車も含めて注意してください。

具志川城

 喜屋武グスクとも呼ばれる具志川城は、久米島の具志川城主であった真金声が落ち延びてきてこの地に築いたと伝わっています。久米島の他にも安慶名方面にも具志川城があるので同名のグスクが3カ所あることになりますね。13~15世紀の中国製陶磁器が出土していることから、大陸との直接交易によって栄えた大きな勢力を持った按司の居城だったのでしょう。

 城域自体は一の郭と二の郭からなる小規模なものなのですが、断崖絶壁に面して築かれたグスクは、地形に沿った城壁で囲んで防御性を高めています。世界遺産に認定された5グスク(勝連城・座喜味城・首里城・今帰仁城・中城城)に次ぐグスクと言えば安慶名グスク・糸数城とこの具志川城と言ってもよいのではないでしょうか。

世界遺産に匹敵する遺構が残っている『世界遺産に匹敵する遺構が残っている』

絶壁に囲まれたグスク『絶壁に囲まれたグスク』

荒々しい石積みも魅力 /></a>『荒々しい石積みも魅力』</p>
<p><a rel=海岸に沿って城壁は伸びている『海岸に沿って城壁は伸びている』

井戸跡『井戸跡』

地形に沿って城壁ラインがある『小規模だがしっかりと築かれた城壁』

具志川城の周辺地図

 国道331号から喜武屋の集落に入ります。道が細くてわかりにくいのですが、「平和の塔」がある岬を目指せば良いでしょう。

おわりに

 勢理グスクにある「富盛の石彫大獅子」は、民衆に伝わる故事を象徴しており文化財としても貴重なものです。具志川城は、民衆の文化が成熟する以前の生々しい戦乱を象徴する遺構が残ります。どちらも沖縄の歴史を刻んだ場所であると感じさせてくれるグスクでした。(この記事は続きます)

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