「幻の豊臣大坂城石垣を見る」後編です。
現在の大阪城の地下に存在する豊臣秀吉が築いた大坂城は、雛壇のような三段構成となっており、今回見学されてもらった石垣は、本丸奥御殿を守る石垣のうち、中之段帯曲輪の石垣の一部ということが、徳川家に仕えた大工・中井大和守家に伝わる絵図から判明しました。
【幻の石垣を見るために全国各地から城好き達が集結した前編はコチラ】
幻の石垣を見る!
2009年9月、地下に眠る豊臣大坂城の石垣を見るために、倭城研究家K氏の案内の元、28名の城好き達が期待を胸に地下7mに降りていきました。そして、その先に現れたのは・・・・・
幻の石垣来ました!
一人あたりにするとわずか数分でしたが(幹事特権で私は2度降りましたが(^_^;))、幻とされる豊臣期石垣を見学できて大満足でした。大坂城を訪れる城好きは数あれど、この石垣を生で見られる体験はなかなか出来ないものです。
見学後、興奮覚めやらぬ一行は大坂城が一望できるレストランにて城談義。このレストランは大坂城を見るには一番のビュースポットなのですが、団体で個室を借りないとベストな位置が確保できないために、こちらもまた普段では観られない大坂城を体験できます。
『某レストランから大坂城を見下ろす』
現在、豊臣期大坂城の遺構としては、ドーンセンターに保存されている石垣を見ることが出来ます。しかし、この幻の石垣に関しては、一般公開はされていません。
今回の私たちのように、昔はこういった見学の機会はたびたびあり、古くから城巡りをされている方の中には見学された方もいるでしょう(まだ、インターネットの無い時代だったので情報自体は少ないですが)。
しかし、最近の社会情勢や風潮は、当時の良き時代のようにおおらかでは無く、予算や保護の面からも今後は大人数での見学会は実施出来ないそうです。今回の見学会は、研究者の方々以外の一般人が見られる最後の機会だったわけです。
『ドーンセンター沿いに保存されている豊臣期大坂城石垣』
おわりに
2009年に書いた記事(旧ブログ)では上記のように締めています。たしかに日本の社会や経済に昔のような余裕が無い昨今では、この石垣を見るチャンスはほとんど無いかも知れません。しかし、わたしたちが石垣を見学してから数年の間に、この地下に眠る豊臣大坂城の遺構は何度も発掘調査が行われました。現地説明会も何度か開催されていますので、すでに観られた方もいると思います。そして、現在この幻の石垣を一般公開しようという企画が動き始めています。それが「豊臣大坂城公開プロジェクト」です。
大阪市経済戦略局(集客拠点担当)
TEL:06-6469-5164
http://www.toyotomi-ishigaki.com/
E-mail:toyotomi-ishigaki@city.osaka.lg.jp
もしかすると、貴方も幻の石垣を見られるかも! 城好きの皆様は是非協力をしてみてください。皆の力が合わせれば、そう遠くない将来に誰もが気軽に見学できるようになるかもしれませんね。