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【陣屋】立石陣屋は豊臣国松が終の地か?

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【陣屋】立石陣屋は豊臣国松が終の地か?

 江戸時代、大分県杵築市山香町立石の地は、幕府の交代寄合(上級旗本)・木下氏五千石の知行地であり、行政の拠点である陣屋が置かれていました。この旗本・木下氏の祖は、かつての天下人であった太閤こと豊臣秀吉の孫で、大坂の陣後に処刑された国松という説があるのをご存じでしょうか?

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立石陣屋

 北部中学校(廃校)跡周辺が陣屋跡であったという立石陣屋は、木下氏の知行所(領地)の行政拠点として幕末まで続いており、城下町も整備されていました。現在では、陣屋遺構の痕跡はまったく残っておらず、案内板や石碑一つも無い状態なので、かつての姿を想像するのは難しいですが・・・・

tateishi『立石陣屋跡』

立石陣屋の周辺地図

 

 現地に駐車スペースはあります。

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木下延由は豊臣国松?

 立石に陣屋を構えた木下氏の初代は木下延由(?~1658)、豊後日出藩初代の木下延俊の四男であり、五千石の分地を受けて幕府の交代寄合(上級旗本)となっています。この木下氏は、豊臣秀吉の正室である高台院(寧々)の兄・家定の家系であり、関ヶ原合戦にて勝敗を決する原因となった小早川秀秋は延由の叔父にあたります。

木下氏系図

 この木下延由には昔から大坂の陣にて滅んだ豊臣秀頼の遺児である豊臣国松であったという説があり、地元の史料でも謎とされています。根拠とされる事柄はいくつかあるのですが、木下延俊は当初、延由に日出藩三万石のうち一万石の分封 という遺言を残しており、これを家老の長澤市之丞が猛反対、独断で延由への分封石高を減らす運動を起こして延由が大名へとなる道を閉ざしました。

 長澤市之丞は延由の遺領分封後に切腹をしていますが、遺言にあった三万石の小藩から四男へ一万石の分封というのは当時の常識では考えられず、「延由=国松説」 の根拠となっています。また延由の位牌には幼名「国松」と記されており、その家紋は国松の大坂城脱出を助けたとされる明石全登・内記と同じなのです。

 豊臣秀頼が薩摩の島津氏に匿われていたという伝承は有名ですが(鹿子島には秀頼の墓がある)、島津氏は大坂の陣には出陣していないので、この説には裏付ける信憑性があまりありません。一方で、国松については戦後の捜索や処理がかなり大雑把で処刑もあっさりと行われています。豊臣恩顧の大名が残っている戦後間もない中で、豊臣氏直系の血を引く国松の扱いはもう少し慎重になっても良いはずです。

 徳川家の天下全盛のもとでわざわざ位牌に「国松」であったと書く理由もありませんし、木下氏の家紋を用いずに明石氏の家紋を使うのもまた不思議です。3分の1という常識外れの分地を家老が命をかけて阻止したのも、豊臣家に思いを寄せる当主とその身分や生活を守りたい家臣団との温度差と考えれば納得もいきます。

 個人的な見解ですが、木下延由が国松であったというのは江戸幕府の中でも暗黙の了解であったのではないかと考えます。滅亡した大名家の嫡男を殺すというのが戦国時代の倣いですが、江戸幕府が安定した中で大衆の同情を受けるであろう豊臣家の遺児をあえて殺す必要は無いと思いますし、強引な手法で豊臣家を滅ぼした負い目も多少はあると思います。

 史料的な裏付けは無いのであくまで想像の域は出ませんが、明石全登の息子である内記によって逃れた国松が豊臣家ゆかりの木下氏によって匿われたという説が、まことしやかに語り継がれてきたというのもわかる気がします。。

おわりに

 豊臣国松が九州の地で生き抜いたのではという話、その真実は立証しようがありませんが、「国松ではないか?」と言われていた木下延由の家は、その後は平穏に幕末まで続きました。映画「プリンセストヨトミ」のように、現代にまで豊臣家の血筋が残ったという想像をすることもまた歴史ファンの楽しみとしてはありなのではないでしょうか。

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城好きのマンホーラー。日本各地(時には海外へも)の城跡やマンホールを訪ねて旅をしています。100名城スタンプは2冊目に挑戦中。最近は離島の城跡や、琉球王朝関連史跡にはまっています。

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